福山雅治さんが「おすすめ」していることで有名な、思案橋ラーメンに行ったことがない長崎市民は僕だけだろうか。
そんな疑問がモヤモヤと湧き上がってきたので、周囲半径5メート以内の知人に思案橋ラーメンでチャンポンを食べたことがあるかを聞いてまわったところ、なんと8割もの人が「食べたことがない」または、「思案橋ラーメンに行ったことすらない」という、なんとなく予想していた回答だった。
しかしメディアのチカラと福山雅治さんの影響力は絶大であり、「若いころ思案橋ラーメンで食べたバクダンチャンポンの味が忘れない」とTVショーでひとこと語っただけで、思案橋ラーメンは連日大行列でございます。
そんなこんなで、行列しているのは99%以上が観光客であると想像している次第。けれども、いちおう長崎の情報発信をしているブログを書いている身としては、一度は思案橋ラーメンのチャンポンを食べてみようではないかと思い立ち、長崎市の繁華街である浜の町へと足を伸ばしてきました。
30年以上、長崎の街で暮らしているなかで、思案橋ラーメンの前を通り過ぎたことは数百回以上あることでしょう。しかし入店するのは初体験でございます。お店を前にしてなんだか緊張してきたよ。
店頭にある食品サンプルを眺めてみたりしながら入店するタイミングを見計らい、いざ突撃!
「いらっしゃい」の元気な声で歓迎していただきカウンター席に案内してもらいました。
平日の13時頃入店してみたところ、一人客ばかり9名ほどの男性がいました。見るからに地元のお客さんといった雰囲気の男性陣。僕が知らなかっただけで長崎市民のお客さんも多いみたいです。
席に座りメニュー表を眺めます。「ラーメン」「チャンポン」「皿うどん」など、長崎の中華飯店ではおなじみのメニューが並んでいます。
注文したのは福山雅治さんがおすすめしている「バクダンチャンポン」です。平和の街「長崎」にありながら、メニューに「バクダン」とネーミングするあたりが型破りでスゲーなと思いながらチャンポンが出来上がるのを待ちます。
待つこと数分、バクダン登場!(880円)写真の中央上のかたまりがニンニクのすりおろしです。チャンポンにニンニクが入っているのは珍しいです。それが「バクダンチャンポン」の売りなんですけどね。
具材も「豚肉」「イカ」「キャベツ」「かまぼこ」などなど、スタンダードなチャンポンです。
麺の太さは一般的なチャンポン麺の太さで硬すぎず柔らかすぎずとバランスのよい硬さの麺です。
チャンポンの一番の肝はやはりスープでしょう。各店、どんなスープを出しているかで地元民の好みも大きく別れるところです。とてもこってりなスープが好きな人もいれば、超あっさりのスープを好む人も。こればかりの個人の好みの問題なので、多くの店舗を食べ歩いて「自分好みの味」を見つけるしかありません。
そんな思案橋ラーメンの「バクダンチャンポン」のスープはというと「ひと口飲んで衝撃を受けました」。写真ではわかりにくいのですが、スープのとろみが半端ない。天下一品のこってりを想像していただければいいかと。または、皿うどんのあんを薄くしたような、とろみのあるスープで食べ終わった頃には口のまわりがベトベトでございました。
最初にも言いましたがチャンポンのスープは好みがハッキリとわかれることが多いのです。ということでボクは苦手系のスープでした。こってりラーメンが好きな人にはおすすめのスープだと思います。
店内は福山雅治さんのサインをはじめ、芸能人のサインで埋め尽くされています。アナタが好きなアノ俳優さんのサインもあるかもしれませんよ!
長崎市内の飲食店に、これはど多くのサイン色紙を飾ってあるのを見たことがありません。それだけ全国的(芸能界)には長崎でチャンポンと言えば思案橋ラーメンなのかもしれませんね。
連休になると思案橋ラーメンには、多くの観光客が訪れて大行列ができていることも珍しくありません。福山雅治さんが若いころよく食べていた「チャンポン」をせっかくだから食べてみたい。という観光客の気持は僕にも理解できます。僕だって旅行すると「あの芸能人がおすすめしていたから」という理由で、ランチをしてみたりお土産を買ったりすることも少なくありません。
それでも誤解を恐れずに書かせてもらいますが、「バクダンチャンポン」は標準的な長崎チャンポンではなく、どちらかと言えば個性的なチャンポンの部類に入ると思います。長崎チャンポンの特徴は「野菜」「肉」「海鮮」のダシがたっぷりとでて、味は濃厚なのにあっさりしていて、スープを全て飲み干せるという印象です。
県外からの旅行などで「チャンポンを初めて食べるよ!」という人は、思案橋ラーメンだけで満足することなく、ぜひ違うお店でもちゃんぽんを食べてみて、食べ比べしてほしいと思います。(切実に!)
長崎市民でまだ思案橋ラーメンでちゃんぽんを食べたことが無い人もぜひ一度行って食べてみてください。チャンポンもいろいろな味があって新たな発見があるかもしれませんよ!