吉宗の茶碗蒸しこそ長崎人のソウルフードなのかもしれない

久しぶりに吉宗の茶碗むしを食べに行ってきました。そしてこの記事を書こうと思ったときに、「なぜ僕は吉宗の茶碗むしを食べるのか」という素朴な疑問が。食べたいから食べる。とは少し違うような気がします。

記憶をたどってみました。僕が初めて吉宗の茶碗むしを食べたのは「といっても正直、記憶がない」一番古い記憶を引っ張り出してみると、小学生低学年のころ、家族と浜の町へ買い物に行ったさい吉宗で食事をした。または、県外に住む親戚が長崎に来たさいにみんなで吉宗に行った。と、こんな感じだと思う。

僕自身の記憶が曖昧なので、娘が初めて吉宗の茶碗むしを食べたのは何歳だったのかを思い出してみると「一歳」のときでした。自宅で誕生日のお祝いをしたさいに「吉宗出前部」から、茶碗むしを配達してもらって食べたのが「娘の吉宗デビュー!」。その後も娘のことでお祝い事のさいには吉宗から茶碗むしを配達してもらっていました。

もしかすると、多くの長崎人が一歳(もしかすると0歳初節句)で吉宗デビューしているのかもしれない。という仮説が立ちましたが、みなさんはいかがでしょうか。ウチの子も一歳で食べたよ!という方はいらっしゃいませんか?

そして、僕が大人になってから吉宗を食べた記憶を思い出してみると、会社のお昼ご飯に先輩からおごっていただいたことがあります。これはかなりレアケースかもしれません。朝、先輩が「今日みんな弁当持ってきてる?」と。タイミングよく誰一人弁当を持ってきてなくて、(小さい会社だったので従業員少ないです)じゃぁー吉宗の出前取ろう。昨日、パチンコで勝ったからさ!と。そんなこんなで会社で昼食に吉宗の茶碗むしを食べた思い出も。

こうして考えると、一歳のときに吉宗デビューして、小学生のころに親と吉宗に食事に行き、今度は自分が親になったときに我が子の祝い事で吉宗を出前して、自分が歳を取り孫の祝い事で吉宗を出前する。やっぱり長崎人にとってのソウルフードは「吉宗の茶碗むし」で間違いない! とこの記事を書きながら思った次第。

「なぜ人は吉宗の茶碗むしを食べるのか?」という疑問。つまり生まれたときから吉宗という老舗で人生の節目で食べた記憶が脳にビッシリと刻まれているので、ふとしたときに食べたくなるし、またお祝い事など人生の節目で食べる。それが世代をこえて続いてゆく。

特別なときに食べるのが吉宗の茶碗むし。と思いきや、別に特別じゃない日でも食べるのが吉宗の茶碗むし。

ということで、ここから吉宗の歴史についてツラツラと書こうと思ったのですが、吉宗のウェブサイトをご覧いただくと一目瞭然なのでそちらでご確認ください。

創業したのが慶応2年(1866年)。つまり今年で150年の歴史がある老舗ということだけお伝えしておきます。

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吉宗 茶碗蒸し


こちらは吉宗の玄関。ここで鳴り響くあの「音」が、子供の頃の僕にとっては特別な物でした。他の店とは違う「吉宗」だけで鳴り響くあの「音」。

久しぶりにあの「音」を聴いたけど、やっぱりここでしか聴くことのできない「音」。吉宗にきたぁー!茶碗むし食うぞぉー!ってなる。


ということで県外の人が読んだら何言ってんのかわからないと思います。ぜひ、店頭でお確かめください。


番号札6番でした。


お座敷に案内していただきました。そこそこ広いスペースなので、この場所だけでも30名ぐらいの方が座れそうです。

お座敷の他にも椅子があるスペースもありますので、最近は足が痛くて椅子に座るのが楽なのよ。というご年配とご一緒の方は椅子の席を選びましょう。


メニュー表です。

県外の方が「茶碗むし」と聞くと、茶碗むし単品を思い浮かべると思いますが、長崎人のいう吉宗の茶碗むしは、茶碗蒸むしと蒸寿しのセットです。(これ僕だけかも)

茶碗むしおごってあげる。って吉宗に連れて行かれて「茶碗むし単品」だったら喧嘩になると思う。やっぱり長崎人の茶碗むしは茶碗むしと蒸寿しのセットだ!

という訳で、冒頭「茶碗むし」を連呼しておりますが、茶碗むし単品ではなく、茶碗むしと蒸寿しのセットですので悪しからず。


茶碗むし定食というメニューもあります。


名物吉宗定食。茶碗むしに角煮がセットになった定食ですね。角煮まんじゅうを食べない予定の方は吉宗で角煮も楽しんでみてはいかがでしょうか。


その他にも天ぷら定食やお寿司などもあります。


丼物。親子丼やかつ丼まであるとは知りませんでした。


というわけで注文して待つことしばし。僕が注文した茶碗むしが到着しました。

ここで茶碗むしあるあるネタをひとつ。わーい美味しそう!っとガッつくと口の中を火傷して皮がベローンっとめくれる。「あるある!」というわけで、特に小さなお子さんに食べさせるときには、十分に「フーフー」してから食べさせてあげてね。


相方さんが注文した茶碗むし定食。「サザエが付いてこもお値段はお得だと思う」と連呼しておりましたので、大満足だったようです。

食事をしながらお客さんを観察していたのですが、観光客と地元民の割合がちょうど五分といったところなんです。

若いカップルは観光客っぽいな!と思えば、絶対に地元のおばちゃん!という人がいたり。小さな子供を連れたママさん同士は地元民だな!と思うと、また観光客風のグループが入ってきたり。観光客もたくさん来るし地元民もたくさん来る。それが吉宗!

長崎には名物も多く、ちゃんぽん、トルコライス、角煮など、観光客向けの美味しい食べ物はたくさんあるけれど、長崎人が一番親しんでいる食べ物は「吉宗の茶碗むし」なんだ!ということで、観光客の方はぜひ長崎人のソウルフード「吉宗の茶碗むし」を堪能してください。

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